こんにちは。
個別最適学習ラボです。
突然ですが、みなさんは「MENSA」をご存知でしょうか?
MENSAは、上位2%のIQ(知能指数)をもつ人達が参加する国際グループです。
そんなMENSAに最近、弊社から4名の職員が合格(会員資格取得)を達成しました。
この機会に、MENSAがどのような団体か、なぜみなさんに知っておいてほしいかをご説明させていただきます。また、このたび晴れてMENSA会員となった職員のインタビューも掲載し、MENSA合格についてや今後の社内活動にどのように活かしていきたいか、などここでしか聞けない話もご紹介いたします。
「MENSAって何?」という疑問をお持ちの方や、「子どもの可能性を知りたい」「ギフテッドの教育や学びについて考えている」という保護者の方にもぜひ読んでいただきたい内容です。
MENSAとは

はじめに、MENSAの成り立ちや活動内容、入会の仕組みなど、団体の実像を様々な角度からご紹介しましょう。
MENSAの基本情報
MENSAとは、全人口の上位2%に入る高いIQ(知能指数)の持ち主だけが入会できる国際的な知性コミュニティです。
入会資格の基準は、標準化されたIQテストで、全人口の上位2%(98パーセンタイル以上)に相当するIQ(日本ではおおむね130以上)をもつことです。
※注1:合否判定に使用する試験・検査方法は、各国のMENSAで異なる場合があります。
※注2:合格となる具体的なIQ値や合否判定の基準は非公開となっています。
知性を持つ人々が互いに交流し、知的な刺激を得られる環境を提供することを目指して、1946年にイギリスで創設されました。
「MENSA」とはラテン語で「table」を意味します。どのような背景・国籍・職業・学歴・年齢の人でも、知性という共通の基準で平等に円卓を囲む様子を表しています。 すべての会員は一律に権利と義務を持ちます。
現在、MENSAは世界 100 か国以上に広がり、会員数は数万人から10万以上。国際的かつ多様なメンバーに支えられているコミュニティです。
【参考URL】
MENSAの目的と活動内容〜どんなことをしているの?~
MENSAには主に3つの目的があります。
①人類の発展のために知的な才能を認知・育成すること
②知性についての研究をすすめること
③会員のために、知的で社会的な刺激のある環境を提供すること
具体的な活動例としては、以下のようなものがあります。
・会員同士の「知的・社会的交流の場」の提供
例:講義・ミーティング・ディスカッション・例会・オフ会・食事会
・「SIG(Special Interest Groups)」
会員同士が共通の趣味・関心でつながることのできるグループ活動のようなものです。自分の興味関心に応じて参加できます。科学・宇宙・芸術などからスポーツ・娯楽など幅広いジャンルがあります。
・国際レベルでのイベント
世界中の会員が集まる国際大会なども開催します。講演・ワークショップ・セミナー・文化交流など多様なプログラムが実施されます。
・情報提供・出版活動
MENSAでは、会員向けに会報やニュースレター、国際的な情報誌などを発行し、知的活動、研究イベント情報などを共有しています。
また、教育に関する研究支援やプロジェクトへの協力も目的の1つとして掲げられています。
MENSAは、「IQが高い」という条件だけで成立している団体で、年齢や職業、国籍などの背景は不問です。よって、多様な人との交流が可能です。そして、「どの活動に参加するか」は基本的に会員の自由であるため、気軽に興味のある分野を楽しめます。
MENSAの入会方法とかかる費用について

MENSAの入会方法(日本の場合)
①入会テスト
・日本各地で定期的に開催されます。
・15歳以上の人が受験できます。(15歳以下は証明書入会のみ)
・一生で最大3回まで受験可能です。
・どの方法でも一度合否が出たら次に受けるまで1年以上の間隔が必要です。
・テストの内容は非公開で合否のみの通知です。
・受験費用は約11,000円(税込) ※2025〜2026年時点の公式費用
② 知能検査の証明書で入会する方法(証明書入会)
・医療機関などで受けたWAIS / WISCなどの正式な知能検査の結果証明を提出して入会資格の判定を受ける方法です。
・提出できる検査は条件が決まっていて、申請時点から1年以内の検査結果に限られます。
・証明書入会の判定費用は約5,500円(税込)で、別途医療機関等での検査費用がかかります。
入会後にかかる主な費用
合格してMENSAの会員になると、以下のような費用が必要です。
入会金:約3,000円
年会費:約3,000円/年(最大5年分までまとめ払い可能)
会員証発行費:約2,000円(希望者のみ)
MENSA会員についてのあれこれ

MENSA会員に共通する特徴
MENSA会員は単にIQが高いだけでなく、「知的好奇心や学習意欲が高い」ことが多いです。専門外の話題でも積極的に質問したり、深い議論や思考を楽しむ姿勢をもっていたりします。
これは、公式の活動目的としても掲げられており、知的で活発な交流の場を提供することがMENSAの根幹となっています。
一方で、日常生活では周囲と興味関心が合わず孤独感を感じていた人も少なくありません。
MENSAはそうした人々にとって、「気兼ねなく話せる知的な居場所」として機能している側面もあります。
MENSA会員になるメリット
① 知的交流の場がたくさんあること
何度も表記していますが、地域の例会やオンラインコミュニティが活発で、普段出会わないような異分野の人とのディープな議論や情報交換が可能となっています。
②グローバルな人脈形成
世界的なイベントを通じて、国際交流、異文化理解、グローバルネットワークの構築ができるのも大きな魅力です。
③新しい趣味との出会い
メンバー同士の交流をきっかけに、これまで挑戦したことのなかった活動と出会ったり、専門外のテーマについて学びを深めたりする例が数多くみられます。
なぜ子どもたちにも知っておいてほしいのか
MENSAは年齢や職業、学歴に関係なく、入会の条件を満たせば誰でも入会可能です。言い換えると、子どもから大人まで平等にチャンスがあります。
例えば、ギフテッドのお子様がいらっしゃる家庭を例にあげます。
本人にとっては「自身の興味関心を同じレベルで語り合える仲間がいる居場所」として、保護者の方にとっては、「子どもの知性・可能性を客観的にはかるひとつの指標」として、本人を含むご家族にとっては「似たような特性をもつ人々やその家族とつながることのできるコミュニティ」として、MENSAは有効な選択肢になります。
今後の教育や学びの方向性を考えやすくなることや、将来の進みたい分野が見つかることにつながるかもしれません。
MENSA合格職員インタビュー

冒頭でもお伝えしましたが、最近弊社では4名の職員がMENSAに合格しました。
社内にこうした人材がいることで、今後の支援においてより多様な視点や発想が期待できます。またこのことによって、「アゴリック(agorIQ)」のような、自己認知と社会性を重視する学びの取り組みがより活性化しやすくなるでしょう。
今回、合格した4名の職員にインタビューを行いましたので、ご一読いただけますと幸いです。(以下、A~D先生と表記しています。)
「なぜMENSAに挑戦しようと思いましたか」
(A先生)働く上での武器になると感じたからです。
(B先生)いわゆる「ギフテッド」と呼ばれるお子様の保護者様からの問い合わせを多くいただいているからです。
2030年の学習指導要領の改訂の中で、「特定分野に特異な才能のある児童生徒への支援」が盛り込まれることとなり、その世界がどんな世界なのかを知りたいと思ったからです。
(C先生)職場で声掛けがあったことが理由のひとつです。
(D先生)理由は2つあります。
1つ目は、agorIQ(アゴリック)をスタートさせるにあたり、MENSA会員になることで何か役に立つのではと思ったからです。
2つ目は、ノルウェーMENSAの問題がネットにあって、試しにやってみるとそこそこいい結果が出たからです。
MENSA自体は、小学生の時に読んでいた多湖輝先生の天才パズルという本で知りました。当時は「よく分からないけど何か凄そう。」と感じたくらいで、会員になりたいとはとくに思っていませんでした。
「MENSA認定テストを受けたときどう感じましたか」
(A先生)思っていたよりもスラスラ解けたと思います。
(B先生)とても楽しかったです。
(C先生)試験内容もわからない中、受ける前は合格する自信はありませんでした。試験は自分の出せる全力を出して、やり切った感が大きかったです。試験が終わったあとは受かった確信がありました。
(D先生)割とサクッと解けましたが、そもそも合格基準だけでなく何もかもが非公開のテストなので、手ごたえとしては半々でした。
「合格を知ったときの気持ちはいかがでしたか」
(A先生)ほかの職員の合格につづくことができてよかったです。
(B先生)正直実感は薄かったですが、合格した事実は嬉しく思いました。
(C先生)シンプルにうれしかったです!
(D先生)「合格する」という経験から久しく離れていたこともあり、とても嬉しかったです。ただ、これは今もですが、自分がMENSA会員でいいのか…?という気持ちはあります。
「MENSA会員になって今後どのような交流や学びを期待しますか」
(A先生)ギフテッド教育のトレンドを学びたいと考えています。ギフテッド児のお子様のニーズを満たしたいです。(「こんなことがあればいいな」というギフテッド児が求める支援を取り入れていきたいです。)
(B先生)様々な人と話をすることで、視野を広げていきたいです。
(C先生)ギフテッド・2Eのお子様の気持ちを理解できる立場の一人として接したいと思っています。MENSAは客観的な評価でありながらも、全国的にも知的能力の高さを保証する最も精密な指標の一つでもあると思うので、その観点で保証された者の一人として、当事者の方々の気持ちを共感的に理解していきたいと思っています。また、色々な視点・観点・意味で、いわゆる「ギフテッド」と言われる方々と関わる機会が増えるといいなと思っています。
(D先生)当初の目的である、agorIQ(アゴリック)の活動を後押しできるようにMENSA会員であることを活用したいと思っています。
一番イメージしやすいのは、ギフテッドのお子様を持つ保護者様や、同じ志を持って活動されている方達との交流を行い、情報交換ができればと考えています。
「社内でMENSAでの学びを生かすならどのような取り組みがいいと思いますか」
(A先生)「agorIQ(アゴリック)」というギフテッド児向けの集団クラスが始動するため、まずその活動に生かしたいと考えています。
(B先生)ギフテッドと呼ばれるお子様たちの成長と発達を支援する取り組みをしていきたいです。
お子様たちが自分らしく自己実現できるようにしたいと考えています。
(C先生)agorIQ(アゴリック)等の活動に活かしていけるのではないかと思っています。「一人ひとりが自分の自己実現を享受できること」からぶれずに、MENSAという称号をひとつの武器として、今後も活動していきたいです。
(D先生)入会したばかりのため、今後考えていきたいと思います。
「MENSAのような団体に子どもが所属するメリットデメリットはなんだと思いますか」
(A先生)メリット:お子様にとっては自分に似た子がいる安心感をもつことができることが一つのメリットだと思います。保護者様にとっては同じようなお子様をもつほかの保護者様と交流することで、困り感の共有ができることがメリットだと思います。さらに、子どものできている部分に着目することができ、可能性を伸ばすことにつながるのではないかと考えました。
デメリット:人間には、合う環境・合わない環境が絶対にあるものですから、突出した才能があるからといって、MENSAが合うとは断言できないことです。MENSAにこだわって視野がせまくなってしまうことは避けたいです。大人になってから「自分はこうだ」と確立されたものがあるならいいのですが、まだ子どものうちは色んなコミュニティに触れる姿勢があったほうがいいように思います。「学校に居場所がない」「学校が自分に合わない集団である」のであれば通学を強制はしませんが、とくに子どものうちは(将来社会にでて働くつもりであればなおのこと)自分の興味だけを追うより、学校や地域の集団生活を送る中で(そこで学べることもあり、出会える人もいるため)広い視野をもって過ごしてほしいと考えています。
(B先生)メリット:大人のロールモデルが多いことだと思います。今MENSAに所属しているお子様たちの悩みは、MENSAのメンバーの大人の過去の悩みかもしれず、理解してくれる大人がいるかもしれません。
デメリット:とくに思い浮かびません。
(C先生)メリット:いわゆる「ギフテッド」とされるお子様と関わることが出来ることが、大きなメリットの一つではないかと思っています。
デメリット:まだ所属したばかりで偉そうに言えませんが、視野の狭窄ではないかと思います。いわゆるIQ値の高低に関わらず、色々な人々に関わることが、メタ認知の発達の大きな要因になると思っています。そう考えると、同じ知的能力の人ばかりと接する場面は、ある意味で視野の狭窄につながるのかな?と思っています。MENSA内でもMENSA外でも、どのような形にせよ人とのつながりは大事にして過ごしてほしいです。
(D先生)メリット:実際に所属してみると、自分が思っていた以上に小学生や未就学児の会員が多いことがわかりました。自分に似た子を探している・同じような子同士で交流を図りたい・自分の居場所が欲しいというニーズは少なからずあると思うので、MENSAに所属することで、そういった想いはある程度叶えやすくなるのではないでしょうか。
デメリット:MENSA会員の中には、生きづらさを抱えている方も一定数いらっしゃるので、そういった事実を先に知ってしまうことで、(本人が現段階で何も感じていないとしても)「いずれ生きづらさを感じてしまうかもしれない」と不安になるかもしれないと感じました。あまりMENSA会員であることにしばられすぎないでほしいと思います。
以上です。
まとめ

MENSAは、単なる“かしこさの証明”ではなく、「学び」「思考」「知性」を大切にする人たちのための国際的コミュニティです。
保護者様やお子様にとっても、【自分の可能性を知るきっかけ】あるいは【似たような感性や才能をもつ人たちとの繋がり】として、価値がある場所ではないでしょうか。
しかし、その反面、MENSAに属していることに縛られすぎると、視野が狭くなってしまうことにつながるかもしれません。
MENSA会員であることがお子様にとってプレッシャーになるのではなく、多様な学びやコミュニティに触れるための足掛かりだと思えるようになれば、その肩書きは今後の大きな自信となるでしょう。
そして、弊社は、職場で複数のMENSA合格者がいることによって、社内での教育・学習、自己研鑽、キャリア開発、チームビルディング、問題解決など様々な点において、新たな可能性が期待できます。
今後の個別学習指導やギフテッドに向けた集団クラス(agorIQ)でも彼ら彼女らの活躍をお見逃しなく!