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ギフテッド教育のプログラムはどんなもの?海外と日本の学習支援の現状について
ギフテッド教育のプログラムはどんなもの?海外と日本の学習支援の現状について

こんにちは。SOLE個別最適学習ラボ編集部です。

私たちは、大阪で発達に凸凹のある子どもたちの学習支援を行っています。

通ってくる子どもたちの中には、ある特定の分野で驚くほどの才能を持つ、いわゆる「ギフテッド」のお子さんたちもいました。

「ギフテッド」という言葉は徐々に広まりつつありますが、実際、ギフテッドの子どもたちがどのような教育を受けたり、どのような配慮が必要なのかはまだまだ知らない人が多いと思います。

  • ギフテッド教育ってどんなもの?
  • 海外のギフテッド教育はどうなっているの?
  • 日本ではどんなギフテッド教育が受けられるの?

この記事では、そんな疑問にお答えしたいと思います。

〇ギフテッド教育とは?

ギフテッド教育とは、特別な才能を持った子どもたちを対象にして、個々の才能に合わせて学習内容やペースを考える、いわば「オーダーメイドの教育プログラム」です。

日本の多くの公立学校で行われているような通常の授業とは異なり、一人ひとりの能力や学習ペースに合わせて、個別のプログラムを立てて学習を進めます。

ギフテッド教育プログラムを受けることで、本人の得意な分野の才能をさらに伸ばすことができます。

それに加えて、不得意な面に対してのプログラムが作成されたり、不得意な面が学習に影響を及ぼしにくい方法で学習をすすめる、など、ギフテッドの子どもに対する理解のある環境で過ごせます。

ギフテッドの子どもたちは、周りに無理に合わせてしまうことでしんどくなったり、周りに馴染めないなどで、過大な努力が必要となることがあります。

しかし、ギフテッドに理解のある環境であれば、のびのびと過ごすことが出来るでしょう。

〇海外のギフテッド教育のプログラム

まずは、諸外国のギフテッド教育のプログラムについてご紹介します。

・アメリカ

アメリカは「ギフテッド教育先進国」と言われており、1800年代にはギフテッド教育のプログラムが実施されていました。

年に2回、アメリカの小中学生は「MAPテスト」という統一テストを受験します。そこでよい成績を収めると、ギフテッドとして認定され、ギフテッド教育のプログラムを受けることができます。

アメリカは州ごとに制度が違うため、受けられる教育の制度が住居地によって異なっています。そのため、ギフテッド教育のプログラムも内容が様々です。

また、貧富の差などから、学校ごとの教育レベルの差も大きいと言われています。

比較的高所得者が多く、教育レベルも高いと言われているニューヨーク市の場合、ほとんどの公立学校にギフテッドのクラスが設置されています。さらにニューヨーク市には普通学級のないギフテッド生徒のみの学校が5校あります。

ギフテッド専門の学校は大変な人気であり、たとえテストで基準点より上を取っていても、人数制限で入れないこともあるようです。

このギフテッド専門の学校に入るため、熾烈な受験競争が起きる状況になっており、一部では批判もあるとのことです。

・ニュージーランド

ニュージーランドは、ギフテッド教育のプログラムが充実している国の一つです。

ニュージーランドの教育に関する行政のホームページには、ギフテッドの子どもへのサポートについて記載されています。

  • ギフテッドの子どものための様々なイベントの開催
  • ギフテッドの子どもを見つけたり、支援するための教師への研修
  • ギフテッドの子どもたちが、他のギフテッドの子どもと交流するためのオンラインツールの提供
  • 週1回ペースのギフテッドプログラムの提供

この他にも、年に2回、ギフテッドの子ども向けのコンテストがあります。個人もしくはグループでの応募が可能であり、入賞すると1年間の経済的支援が受けられます。

・その他の国

イギリスでは、ギフテッドと認定されると、学校によって「ギフテッド児」として登録されます。そして、特性に合わせて学習を受けられているかが確認できるようになっています。

また、私立校を中心に、奨学金などのギフテッドへのサポートが行われているほか、学校になじめない子どもにおいては、専門家のアドバイスを受けつつ家で学ぶホームスクールも広まってきています。

スイスの全州では、ギフテッドの子どものための飛び級制度や、教科の免除などが認められています。専門家によるサポートも充実しています。

ドイツでは、アメリカと同じようにギフテッドのための特別クラスやいくつかのスクールが設けられています。飛び級も認められているそうです。

アジアの教育大国であるシンガポールでは、小学3年生で全員が「Gifted Education Programme(GEP)」という選抜プログラムを受験します。上位数パーセントの子どもたちは、ギフテッド向けの教育が行われている小学校への転校が可能です。

〇日本のギフテッド教育のプログラム

ここからは、日本のギフテッド教育についてお伝えします。

まずは、文部科学省から発表されている、ギフテッド教育についての文言を見てみましょう。

学校においては、特異な才能のある児童生徒も含め、「個別最適な学び」を通じて個々の資質・能力を育成するとともに、「協働的な学び」という視点も重視し、児童生徒同士がお互いの違いを認め合い、学び合いながら相乗効果を生み出す教育が重要です。

引用:文部科学省 学習指導要領 教師向け参考資料より
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/mext_01512.html

「個別最適な学び」は、子どもそれぞれの能力に合わせたオーダーメイドの学習支援のことです。

ギフテッドの子どもそれぞれの能力に合わせた、個別の支援が必要であるということは前述の通りです。

これに加えて、文部科学省は「協働的な学び」も必要であると述べています。

「協働的な学び」は、一人ひとり異なる考えを持つ生徒同士、あるいは地域の人々や専門家とともに協力して学習をすすめることです。

単純な意見の交換にとどまらず、自分とは異なる考え方や感性に触れ、そこから刺激を受けて、自らの考えを更新していくことが重要と考えられています。

また、文部科学省は2023年度の予算案で、特異な才能のある子どもの支援に向けて、8000万円を計上する方針を固めました。

ギフテッドの支援のために、国が予算を計上したのは初めてのことです。

予算が計上されたことから、これから日本でのギフテッド教育のプログラムは充実していくことが見込まれますが、これまでは支援が行き届いていなかったのも事実です。

現時点ではどんな状況なのか、以下でご説明したいと思います。

・公立学校

東京渋谷区が公教育としては初のギフテッド教育に取り組んでいます。

「渋谷区ラーニング・リソースセンター」という、子どもの学習支援専門のセンターを設立しました。

https://shibuya-lrc.com/

このセンターでは、体験型授業や、読み書きが苦手な子どものためにICTを使う授業などを実施しています。

しかし、渋谷区のギフテッド教育プログラムは特別支援教育の一環として行われており、特別な才能が認められるが学級不適応が見られる子どもたちが対象となっています。

そのほかの自治体では、ギフテッド教育に対するプログラムは現時点では提供されていない、というのが実情です。

・私立学校

公立学校と同様に、ギフテッド専門のプログラムを持つ私立学校もほとんどない、というのが実情です。

ただし、保護者の中には、学習内容のレベルの高さや、学習ペースの速さを考慮して、私立小学校・私立中学校への入学を選択する方たちがいます。

ギフテッドの子どもは、クラスメイトと話が合わない、難しい言葉を話すので周りから距離を取られてしまう、などの悩みを抱えてしまうことがあります。その結果として、不登校に至るケースもあります。

私立学校に入学した場合では、公立学校に比べると知的レベルが近い子どもたちが集まります。

そのため、「周りと話があわない」といった事態が起こりにくいことが予想されます。

また、知的レベルの高い学校ほど、学校の校風が自由であったり、規則が厳しくないことが、メリットとして挙げられます。

自由度の高い環境の方が、ギフテッドの子どもたちがのびのびと自分の才能を発揮することができます。

さらに、私立学校では、公立の学校では難しい個別の対応を望めるかもしれません。

これらの事情から、ギフテッドの子どもを持つ保護者の方々は、ギフテッド専門のプログラムがない場合でも、私立学校への受験を検討されることが多いです。

・塾や支援団体

文部科学省が、ギフテッド教育について、民間団体の役割の重要性を明示しています。

また、特異な才能のある児童生徒の能力を伸ばしていくには、大学や民間団体等が担う役割が大きいと考えられます。このような学校外での学びへ児童生徒をつないでいくことや、学校においてその学習を生かし自他ともに学び合い成長する機会を設けること、学校における評価について整理を進めていくこと等が必要です。

引用:文部科学省 学習指導要領 教師向け参考資料より
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/senseiouen/mext_01512.html

これらの民間団体についても、充実しているとは言い難い状況ですが、徐々に増えてきています。

ギフテッド教育のプログラムを持つ民間団体については、以下の記事でご紹介しています。

<ギフテッド スクールへのリンク>

〇まとめ

ギフテッドの子どもが「自分の才能を活かしながら、自分らしく生きていく」。

そのためのギフテッド教育のプログラムは、残念ながら日本では浸透しているとは言えません。

徐々に「個別最適な学び」の必要性が社会に浸透し、支援団体が増えてはいますが、十分に行き届いているとは言いがたいでしょう。

私たちは、個別最適学習(オーダーメイド)プログラム・SOLEを運営しており、ギフテッドのお子様それぞれの能力に合わせた学習支援を行っています。また、学習プログラムの作成や、お子様の能力の評価のみの対応も可能です。

まずはご相談ください。