
10月10日、ギフテッド・2E向け集団プログラム「agorIQ(アゴリック)」で、食べ物をテーマにした活動の第2回を実施しました。
前回、子どもたちが話し合って決めたテーマは「お米とお餅」。今回は食べ比べを通して、味や食感をどう表し、何をものさしにして比べるかを考えました。
「おいしい」「好き」で終わらず、食べ物の特徴を自分の言葉で捉える探究の始まりです。
安心して食べるために、みんなでできること
食品を扱う今回は、まず衛生面の約束を確認しました。手の洗い方や、食品を扱う手袋のつけ方・外し方など、実際の動作につながる具体的な方法も確認しました。

手を洗ってから手袋をつけること、洗った後は髪や体などを触らないこと、試食からメモへ移るときには手袋を外すことなど、活動の流れに沿って、何をする必要があるかを共有しました。
子どもたちからも、清潔に食品を扱うための具体的な行動が挙がり、仲間へアドバイスする姿が見られました。
指導者が伝えたのは、**「みんながお腹を痛くならないように協力しよう」**という目的です。単に約束を覚えるだけでなく、手洗いや手袋の扱いが、自分と仲間の安全につながることを確認しました。
「パリパリ」「やわらかい」――感じたことを言葉に
食べ比べを行う前に、食べ物の特徴を表す言葉を出し合い、最終的に**「味」「食感」「温度」「形」**の四つの観点に整理しました。
「パリパリ」「ポリポリ」といった音や感覚を表す言葉に加え、「やわらかい」「あつい」など、自分が知っている言葉で伝える姿が見られました。

全員が同じ表現を使う必要はありません。自分が感じたことを、自分の言葉で伝えることが出発点です。
出てきた言葉を整理することで、食べ物のどこに注目して比べられるかを確認しました。
よい例・悪い例で、マトリックスの書き方を知る
続いて、食べ比べの結果を整理するマトリックスの書き方を説明しました。縦と横に二つの軸を置き、食べ物の特徴に合わせて位置を決める方法です。
説明では、**よい例と悪い例(比べにくい例)**の両方を提示しました。特徴の違いが分かる例と、比較しにくい例を見ながら、どのような軸を選ぶと比べやすくなるかを確認しました。

子どもたちの理解は非常にスムーズで、縦軸・横軸の考え方や、特徴を位置で表す方法を捉えられていました。比較の観点と記録のまとめ方を確認したうえで、実際の食べ比べへ進みました。
班分けも、自分たちで話し合う
食べ比べの見方と記録の方法を確認した後は、班決めです。「みんなの希望を聞く」「じゃんけんで決める」など、複数の案が出ました。
すぐに全員の意見が一致したわけではありません。それでも、ほかの人に考えを尋ねたり、別の決め方を探したりしながら、最終的に**「3分話し合って決まらなかったら、じゃんけんにする」**という方法にまとまりました。
希望どおりにならないことも含めて、決めた方法を受け入れて活動へ進む。食べ比べの準備にも、仲間と一緒に取り組むための学びがありました。
おにぎりとお餅を食べ比べ、違いをメモに
班決めの後、手洗いなどの衛生面の準備を整えたら、いよいよ食べ比べの開始です。子どもたちはおにぎり班とお餅班に分かれ、それぞれ担当の食べ物を試食しました。
おにぎりはツナマヨ・こんぶの2種類を用意。同じ具のおにぎりを複数のコンビニで購入し、ツナマヨ同士、こんぶ同士で、コンビニごとの味や特徴の違いを比べました。
お餅は砂糖しょうゆ・きなこの2種類の味付けを用意。砂糖しょうゆは砂糖としょうゆの比率を変え、きなこの味付けも比率を変えて、配合による味の違いを確かめました。

試食は、一つ食べる→手袋を外すなど衛生面を確認する→感想をメモする→次のものを食べるという流れを繰り返しました。食べる時間と書く時間を切り替えるたびに衛生管理を行い、一つずつ味わって感じたことを残してから、次の試食へ進みました。
試食を進める中で、子どもたちからは**「すっぱい」「甘い」「塩気がある」**など、味の特徴を表す言葉が出てきました。単に「おいしい」「好き」と評価するだけでなく、口に入れて感じた味を、具体的な言葉で伝えていました。
おにぎりでは、**「ここのツナマヨは甘い」「具が多い」**といった感想も。同じ具のおにぎりでも、味付けや具の量に注目することで、コンビニごとの違いを捉えていました。
お餅では、やわらかさや硬さ、味付けの濃さ・薄さにも目を向けていました。同じお餅でも、触感はどうか、味をどのくらい強く感じるかなど、複数の観点から特徴を書き残すことができていました。

一つ食べるたびにメモを重ねることで、記録には甘さや酸っぱさ、塩気、やわらかさ、味の濃さなど、さまざまな気づきが集まりました。自分が感じたことを言葉にして残すことが、その後に食べたもの同士を比べる手がかりになりました。
手洗い後に髪や体などを触らないこと、メモを書くときは食品を扱った手袋を外すことなど、試食と記録を繰り返す間も、衛生管理を徹底しました。

感想の残し方にも、一人ひとりの個性が
メモの取り方も、それぞれ違いました。感じたことを言葉で書く子もいれば、星の数で評価する子もいて、自分なりの方法で試食の感想を残していました。

印象的だったのは、全員が「どう書けばいいですか」と尋ねる前に、自分で書き始められたことです。決められた文章を埋めるのではなく、**自分が気づいたことを、自分の方法で記録する。**こうして集まったメモを、次のマトリックスづくりにつなげていきました。
自分で評価軸を考え、食べ比べのマトリックスをつくる
試食の後は、自分のメモを振り返りながら、食べ比べの結果をマトリックスに整理しました。縦と横の二つの軸を使い、食べたものの特徴を図の中の位置で表していきます。
**評価軸は、子どもたちが一人ひとり自分で考えました。**試食で気づいた甘さや味の濃さ、お餅の硬さ・やわらかさなどを手がかりに、「何に注目すれば違いを表せるか」を考えます。用意された軸に当てはめるのではなく、自分の記録から、比べるための「ものさし」を選ぶ活動です。

取り組み方にも、一人ひとりの違いが見られました。どの特徴を評価軸にするかにじっくり時間をかける子もいれば、軸を決めた後、食べたもの同士を比べて位置を考えることに時間をかける子もいました。
位置を決めるときには、自分のメモを読み返し、「どちらがより甘かったか」など、相対的に比べながら進めていました。一つの食品だけを見て評価するのではなく、ほかの食品との違いを確かめ、同じ軸の上でどこに置くとよいかを考えていました。
さらに、いったん置いた位置で終わりにせず、食品同士の細かい位置関係を調整する姿も見られました。メモに残した特徴と図の配置を照らし合わせながら、違いがより伝わるように位置を見直していました。

**何を軸にするか、どこに置くか、どのくらい違うのか。**マトリックスづくりでは、試食の感想をそのまま写すだけでなく、自分の気づきを選び、比べ、整理する時間になりました。
後片付けまで、しっかり取り組む
活動の最後には、子どもたちも後片付けにしっかり取り組みました。食べ比べや記録だけで終わらず、使ったものを片付けるところまで行いました。
**準備から後片付けまでが、一つの活動。**食品を清潔に扱うことに加え、使った場所や物を整えることも大切にしました。

食べ比べを、次のレシピづくりへ
今回は、食べるだけでなく、感じたことを言葉にし、記録し、比べるためのものさしを考えました。衛生面の約束を守ることや、班分けの方法を相談することも、活動を支える大切な経験でした。
一方で、発言を一つずつ伝える工夫や、困ったときに指導者へ助けを求める方法など、今後も練習していきたい点が見えてきました。指導者も、活動のルールや伝え方をより分かりやすく整えていきます。
次回は、食べ比べで残した記録や気づきをもとに、自分たちのレシピを考える予定です。
**「こんな味にしたい」「この食感を生かしたい」**という発想が、どのような料理につながっていくのか。今後の展開も楽しみにしていてください。
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